悩ましい選択

治療を受けるか、受けないか、です。

久々の投稿にしては、とても重い内容ですが、
目下家族でとても悩んでいる選択があります。
それは、転移も既にしている父が、がん治療を受けるかどうかです。
摘出手術も放射線治療も済んで、未だ残る転移先の腫瘍をどうするか、
について、決めきれていません。

主治医から提案されているのは、分子標的薬という、
これまでの抗がん剤とは異なる化学療法です。
それでも抗がん剤の一種には変わりないので、当然副作用があります。
おそらく、がんについて、少しは勉強された方はご存知だと思います。

父の余命はあまり長くないと言われています。
7月から大きな摘出手術が3回も続き、3ヶ月も入院生活だったので、
父はもう、治療は嫌だと言っており、すぐ分子標的薬が始まるのはかわいそうに思えます。
それに、分子標的薬は添付文書を読む限り、多臓器に大きな影響を与える可能性があり、
臓器は再生できないため、投薬のせいでQOLが下がり、残りの人生がしんどくなるかも知れません。死者が出ているのも事実です。
私は父が先生の予想よりも長く生きると信じているのですが、
それでも死と向き合った今後の時間を、闘病だけで終わるのは、
父にとって良い事とは思えないのです。

一方で、治療があるから拠り所ができる、というのも本当だと思います。
エビデンスのない代替療法だけを受けたり、
もう、何もしない、自分の力だけで治す、と決心するのは、
よほど精神力がないと選べないのだと痛感しています。
先生の言う通りの結果になる可能性を受け入れなければいけません。

これまでも、両方の副腎をとるか、小さい腫瘍のある副腎を残すか、や
放射線治療を受けるかどうか、でも随分悩みましたが、
今回だけは、2ヶ月ぐらい悩み、先生とも何度も話しているのですが、
それでもやっぱり踏み切れません。

先生は幸い、とても優しい方で、結論を待ってくれています。
先日、退院後初めて外来があり、
少なくとも標準の投薬量から始めるのはできないと伝えました。
副作用が出てから投薬量を減らすのではなく、
少量から始めて、副作用が出ない範囲で増量する方法なら、検討してみる。
それも、今からでなく、今後の経過観察で腫瘍が大きくなってたら考える。
腫瘍の縮小が目的でなく、大きくならなければ、それでも良い、もしくは延命を目標にする。
なので画像検査まで保留にして欲しい。
2ヶ月悩んで、やっとこれだけが家族の間で決められた事です。

しかし、この事を伝えるのに、相当緊張しました。
何度もメモを書き直し、母と予行練習までして。
と言うのも、今の病院は急性期病院なので、
治療が無くなれば離れなければいけない可能性があるからです。
父は泌尿器科の他に、脳神経外科、内分泌内科、も癌の関係でかかっており、
どれも今後が大事です。
病院にはそれぞれ役割があるのは今回の事でわかり、先生方も超多忙なのは実感してるので、
勝手は言えないのは承知ですが、今の病院に見てもらいたいのが本音です。
今後の外来でもそうですが、先生にできる限り見てほしいと、お願いするしか無いのです。

それでも、少量からであってもしないと決めるかも知れず、
その時、どういう方向に行くのか分かりませんが、
どうであれ、できる限りをしたいと思います。

ところで、私はパリに帰ってきました。
今回の事で夏から帰阪してましたが、パリの生活をそのままにしてる訳にもいかず、
とりあえず手術が全て終わったので、一度戻ることにしました。
しかし父の今後が気が気じゃありません。
先生と直接相談できなくなるのも、何だかとてももどかしい気分です。
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by bebedepeche | 2011-11-08 06:04 | ガンについて思う事