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外科と内科

父が癌になってから、初めていろいろ考えるのですが、
外科が癌治療の主科になることに、時々不安を感じます。

きっと摘出手術が基本なので、そうなるのだろうけど、
患者側が直面する問題や抱く疑問は、内科的な事が多いと感じています。

癌の事を勉強すると、有効だと断言できる治療はなく、
免疫力や体力、日常の生活が大事であり、
体の状態を立て直す事と、癌細胞が増えるスピードとの勝負のようです。

なので、家族側としては、
・手術後、どうやってリンパ数を増やし体力をつけていったら良いのか
・血液検査の結果、総合的にどういう体の状態にあるのか
・父の場合、副腎もとってるので、ストレスによるステロイドの量の加減
・肝転移が怖いので、肝臓に負担をかけないためにはどうしたらよいか
・食事に気をつける反面、カリウムの過剰摂取やタンパク質不足に気をつける
などなど、
外科的処置とは全然違う問題に直面します。

昨日も、父が吐血したと聞いてびっくりしました。
一緒にいた母はもっと怖かったと思います。
今の病院の先生に電話で連絡したところ、
ステロイドの副作用として胃潰瘍があるから、それじゃないか、という事らしいです。
そのときに、病院で診察を受けるには手続きなどがあるから、
近くに胃腸科があるなら、そこで見てもらった方が、結果的に早い、と言われました。

そうでなくても、気軽に体の状態を見てもらえる、定期的に血液検査もしてもらえる
かかりつけの内科の先生を近所で探そうと言っていており、
今回の事で近所の先生に相談したら電話でテキパキ指示してもらえた様なので、
とても安心しました。

その前でも、造影検査のために血液検査が必要で、その検査結果だけ先にもらってきたのですが、
そこに、H(基準値より高い)やら、L(基準値より低い)とかコメントされてあり、
結果を出してくれた先生が主科の先生では無かったからか、
全然見てくれなかったので、後で家に帰ってこの結果はどうなのかと悶々としました。

結局、医療に詳しい昔の友人に電話して、
気にすべき結果なのか、客観的にどういう体の状態にあるのか
細かく教えてもらいました。

その時先生にお願い出来たら良いのですが、それでなくても数ヶ月に1度の外来で
聞きたい事はたくさんあり、また、先生が忙しいのも知っているので、
もうこれ以上は悪いのではないかと遠慮してしまいます。
そして、父のために、ベストを尽くしきれてないと落ち込んでしまいます。

でも、外科の先生に、内科の細かい事を聞きにくいのも事実だし、
専門じゃない事はあまりわからないしね、と言われることもあるし、
誰に何を相談したら良いのか、わからなくなってしまうのです。

この上に、抗がん剤による副作用でいろんな症状が出てきたら
症状を緩和するために、またステロイドを増やして、なんて事になったら
私としては対応していく自信が正直もてないです。


きっとみんなこういう事で悩むからなのか、腫瘍内科という分野も出てきているようです。
今のところ、腫瘍内科がどういう事を扱っているのか、はっきりとは分かりませんが、
手術や放射線以外の、総合的な体の状態を見ながらの癌治療を引き受けてくれる場所が
出来るなら、少しは患者側も気持ちが落ち着くのでは無いかと思います。


そうそう、誤解のないように言っておくと、今の病院の先生方には、とても感謝しています。
先生側からすれば、変な質問はするし、副腎を片方残して欲しいとか、抗がん剤は嫌だ、とか
ちょっと面倒くさい患者だと思うけど、大人な対応で接してくれてます。

それに、今の病院に移ってきた頃は、前の病院の医療が原因で、
ものすごく医療不信に陥っていたので、どうしてもそれが表面に出てしまい、
先生方に不快な思いをさせていたと思います。
それでも父には誠意を持って接してくれていたと感じています。

父が3回もの大きな手術を、落ち着いた環境で終えられたのは、
先生方と病院のおかげだと思っています。

そう思っている事を、なかなか上手く先生方に伝えられないのも
またもどかしいことの一つです。

by bebedepeche | 2011-11-20 03:32 | ガンについて思う事